冬山登山 赤岳2,899m ②

cherry

2012年12月19日 12:30

前回の続きです。

 ここまでのレポはこちらです。
  冬山登山 赤岳2,899m ①



2012.12.12 行者小屋から望む赤岳2,899m



行者小屋まで順調に辿り着きましたが、経験したことのない寒さ・・・

-20度の極寒ではアウトドアリサーチの Water Bottle Parkas の断熱素材も通用しません・・・

ゆかいさんのボトル凍ってます・・ 

【photo by Jv 隊長】
 


隊長のグラナイトギアのボトルケースに入れてた方もパリッパリに凍っていました。

【photo by Jv隊長 】

さて、ここからは一気に赤岳山頂を目指すのですが、「地蔵尾根」 「文三郎尾根」 どちらのルートを
行くか暫し協議。

「地蔵尾根は昨年よりも降雪量が多いということから、一部ナイフリッジになった場所があるのでは?」
「地蔵尾根分岐の稜線上から山頂までの強風は昨年経験済み 山頂を見上げるも今回も風は強そう・・・」

と、より安全と思われる文三郎尾根ルート選択するのですが、何れにしろ行者小屋(2,350m)から
赤岳山頂(2,899m)までの標高差は549m。
春から秋の3シーズン登山であれば心地いい汗を掻きながらの登りとなるのでしょうが、この地点での
外気温は-20度・・・  さらに気温は標高が100m上がると0.6度下がると言われています。
プラス風速が1m増毎に体感温度は1.0℃下がります。


雪国育ちの僕らでも経験したことのない温度・・・

  「このまま行って山頂を踏むことはできるのだろうか・・・」 

  「たとえ山頂を踏むことができたとしても、無事戻ってこれるのだろうか・・・」


身の危険を感じる温度帯に 不安ばかりが頭の中をよぎります・・・


8:26 行者小屋出発




 







【photo by Jv 隊長】


樹林帯の中、日の当たらない寒さはなおさら身に凍みます。




樹林帯を抜け、キックステップで登れるところまで登り、ようやくアイゼンを装着します。



バリエーションルートで攻める方でしょうか?



黙々と登っていく姿が印象的でした。



稜線に出て赤岳もくっきりと見えます。



抜ける様な青空と真っ白に染まった山肌がとても綺麗です。この銀世界にうっとり。。。




この辺りからだったでしょうか? 隊長の足取りに変化が・・・

 

寒さのせいか? それとも半年以上登っていないブランクのせいか? 
足首の関節が硬直し、うまくガニ股歩行が出来ない様子です・・・

  この時の隊長の心境はコチラです。
   氷風 赤岳(2,899m)②


前方では自分が掛け声を発し、後方ではゆかいさんが的確なアドバイス
を出しチームで支えます。



階段も半分以上埋まってますね~



アイゼンの爪を引っ掛けないように慎重に登っていきます。



標高が上がるにつれ、硬く締まった雪質に変わってきました。
これ以上のストック歩行は危険と判断。 ピッケルに変えます。




先ほど抜いていったパーティの方々はバリエーションルートで攻めるようです。






文三郎尾根を登りきればやっと日が差してきます。






真っ白に染まった中岳と阿弥陀岳がとっても綺麗です。。。 



しかし・・・、素晴らしい景色とは裏腹に遮る物が何も無い稜線上を登る我々に
時折吹き付ける強い風が容赦なく襲い掛かり、一気に体の熱を奪います。

ゆかいさんは、ピッケルを持っていた左手の指の感覚が無くなってきています・・・
後で聞いた話によると踵の感覚も無くなってきていたとか・・・




カメラはバッテリーの電圧低下により撮影不可・・・・


ここまで来れば山頂までもう一息となるわけですが、岩・雪・氷ミックスの核心部に突入です。
滑らないよう、細心の注意を払いながら慎重に登っていき....


11:33
赤岳 2,899m登頂!!



【photo by Jv隊長】



【photo by Jv隊長】


経験したことのない寒さに心が折れそうになりましたが、 チーム全員無事登頂
することができました。
この喜びを素直に分かち合い、あらためてこの素晴らしい仲間に感謝し、そして
敬意を表したいと思います。


【photo by Jv隊長 】



【photo by Jv隊長 】


【photo by Jv隊長 】



下山ルートは同一コースでピストンを考えていましたが、途中すれ違った山岳ガイドさんの情報
をもとに地蔵尾根コースを選択します。
一部ナイフリッジになったところがあるが、あとは特に危険箇所も無いとのこと。


11:40 下山開始


【photo by Jv隊長 】



【photo by Jv隊長 】



赤岳頂上山荘から赤岳展望荘までの稜線上で吹き付けた強風が自分的には一番ヤバかった・・・
バラクラバは装着しているものの、外気と触れている鼻と頬の上部が寒いというよりも痛く、
捥げるかと思いました・・。



【photo by Jv隊長 】


最後の緩やかな林道歩きでは、 いつもだと 「次の山は何処にしますかぁ~!」なんて 次の山行計画
を意気揚々と話すのですが、今回ばかりは無事下山できた安堵感の方が強かったなぁ~


15:27 無事下山

お疲れ様でした!!

 
【photo by Jv隊長 】


 


    
浮き足立っていた我々に 「冬山は甘くないからな」 と
先制パンチを見舞われたような今シーズン一発目の冬山登山。

      
でも またあの素晴らしい白銀の景色を見てみたい。

そして 最高の仲間と感動を共有したい。




Team oki off 今シーズン開幕です!












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